ピロリ菌について

ピロリ菌イメージ画像

胃粘膜に慢性的な炎症が起こり胃粘膜が減ってしまう状態を萎縮性胃炎と言います。また胃粘膜萎縮の後、腸粘膜が置き換わってくることがありこれを腸上皮化生と言います。

 

 

これら一連の経過はピロリ菌感染によって起こることが判ってきました。

 

 

さらにこのような慢性胃炎の状態が、胃癌の発生に強く関係している事が明らかになってきました。ピロリ菌がいる人といない人を比べると、いる人の方が胃癌の発生頻度が20倍くらい高くなります。

ピロリ菌を除菌することで、胃がんになるリスクが大きく減る事が判明してきています。

除菌には胃カメラやその他の検査でピロリ菌の感染の有無を調べます。その結果、ピロリ菌による慢性胃炎が確認されれば除菌治療を行います。

 

治療は『3剤併用療法』といって「2種類の抗生物質」と「胃酸を抑えるお薬」を1日2回、1週間服用するだけです。3か月以降に除菌に成功したかどうかを呼気検査(吐いた息を検査する)で調べます。

1回目の除菌の成功率は約80%です。最初の治療でうまくいかなかった場合は、違うお薬で再度除菌治療を受けることができます(二次除菌)。この方法により全体の95%以上の方が除菌に成功します。

 

 

尚、下痢や腹痛などの副作用でお薬が服用できなかったり、薬に耐性を持つピロリ菌がいるなどで除菌が失敗した場合には、改めてその後の治療方針を説明させていただきます。